研究者 | 所属大学 | |
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代表者 | 三上 和彦 教授 | 兵庫県立大学 |
岡島 慶知 准教授 | 流通科学大学 |
市場経済における非営利・共同センターの役割:市場の失敗の観点から
国・地方自治体における財政状態の悪化が深刻化する中、公共部門を補完する経済部門として、非営利・協同セクターへの期待が増してきている。一方、非営利・協同企業を対象とした経済学的研究が、今日に至るまでに十分に整備されてきたものとはいえない。本研究プロジェクトは、私たちがこれまでユニティの資金援助を受けて行ってきた、非対称情報の市場取引に与える影響に関する理論研究を、非営利・協同企業の経済学的基礎研究に応用する目的で、2008年にスタートさせたものである。 具体的にこのプロジェクトのベースとなったのは、次の2つの研究である。ひとつは、三上が中心として行った協同組合研究である。そこでは、協同組合の形成理由を、非対称情報をはじめとする市場の失敗に求めるという立場を取っている。もうひとつは、主として岡島が行った、「オクスファム(Oxfam)」など国際非営利組織の事例研究、および非営利組織の経済理論のサーベイ研究である。三上、岡島の両者が、一見異なるように見えるが、関連するところの多いそれぞれの領域で得た知見を交換しあい、本プロジェクトを遂行してきた。
具体的な成果としては、次の2本の英文論文を海外の査読付き専門誌に発表することができた。
今後の展望としては、まず、前節であげた三上と岡島による共同論文(現段階では未定稿)を完成させることである。これは理論モデルを用いた非営利組織に関する基礎研究であるが、病院の経営形態については、一時、株式会社病院の是非が盛んに議論されたことからもわかるように、現実的な意味合いも大きい問題であると考えている。また、将来的には、こうした理論に統計的・実証的な検証を加えていきたいとも考えている。
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